本日は、「令和おじさん」として一躍有名になった菅義偉(すが・よしひで)さんについて。
秋田の農家出身の、地味~なおじいさんですが、その政治手腕はたいへん堅実でスキがなく、確かなもの。
それもそのはず、最近あちこちに転がっている2世議員と違い、議員秘書から国会議員になった、叩き上げの苦労人。
失言がなく、スキもなく、スキャンダルもない、今時珍しいタイプの手堅い政治家です。
すでに「ポスト安倍」と目されており、安倍首相の無数の失策の数々の尻拭いをさせられそうな人です。
どんな人なのでしょう?
菅義偉のプロフィール
まずは、基本的な経歴を確認。
生年月日 | 1948年12月6日(2019年で71歳) |
---|---|
出生地 | 秋田県雄勝郡雄勝町(現:湯沢市) |
出身校 | 法政大学法学部政治学科卒業 |
前 職 | 段ボール工場作業員 建電設備株式会社社員 衆議院議員小此木彦三郎秘書 横浜市会議員 |
現 職 | 衆議院議員 内閣官房長官 沖縄基地負担軽減担当大臣 拉致問題担当大臣 |
所属政党 | 自由民主党(小渕派→古賀派→無派閥) |
称 号 | 法学士(法政大学・1973年) |
配偶者 | 一般女性 |
「令和おじさん」として、一躍脚光を浴びることとなった菅義偉さん。
安倍総理の女房役として、官房長官という役職を卒なく勤めているという印象があります。
その飄々とした風貌とは逆に、次期総理大臣とも呼ばれるほど政治家としては、そうとうの「やり手」であるそうです。
菅義偉さんの生い立ちや経歴は、いったいどのようなものでしょうか。
菅義偉さんは、昭和23年に秋田県雄勝町(現湯沢市)のいちご農家に父親・和三郎、母・タツの子どもとして生まれました。
農家の長男として、家の農作業を手伝いながら地元の高校を卒業。
のちに集団就職で上京し、ダンボール工場に就職しますが、将来の展望が見えないことから「視野を広げるために大学で学びたい」と大学への進学を決意。
築地市場の台車運びなどのアルバイトで貯金を貯めながら、2年間試験勉強に励み、当時私立で最も学費の安かった法政大学に入学しました。
入学後もアルバイトとしてさまざまな職場で働き、学費を稼ぎながら大学に通った苦労人です。
卒業後は民間企業に就職しますが、サラリーマンとして働くうちに政治の世界に関心を持ち、政治家の道を目指すことを決意します。
ですが、まったく政治家のツテがなかったため、大学の学生課へ飛び込み法政大卒OBの国会議員事務所の紹介を受けて、小此木彦三郎元通産大臣の秘書として11年間働きました。
その後、小此木氏の地元の横浜市から市議会議員に立候補を。
この時、菅さんの3人の子ども達はまだ3歳と1歳、1ヶ月と幼く、また現職には自民党の有力議員がいたため周囲は猛反対。
当時はもちろん地盤も看板もカバンもなく、まさにゼロからのスタートでした。
しかし、菅さんは諦めることなく、1日300軒も支持を求めて歩き回ったそうです。
奇跡的ともいえる初当選後は自民党の若手として、市会議員を2期務めました。
秘書として支え続けた元通商大臣、小此木彦三郎氏が横浜市政に影響力を持っていたため、彼の死後には当選2回でありながらも、事実上の小此木氏の代役として大きく市政に貢献、その後は国政に挑戦しました。
平成8年には衆議院選挙で初当選し、国土交通大臣政務官、経済産業大臣政務官、総務副大臣などを歴任、2012年の総裁選では安倍総裁誕生のために奔走。
その後、衆議院議員初当選から16年目に、第2次安倍内閣で官房長官になりました。
それ以来、総理を補佐する立場から記者会見や、さまざまな政策の調整役などの活躍を続けています。
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菅官房長官がかわいいと評判
苦労人エピソードを知ると、好感を持ってしまいますね。
目立つことを嫌うタイプで、性格は非常に謙虚。
菅さんは安倍総理より6才年上ですが、総理が親しみを込めて「すがちゃん」と呼ぶのに対し、菅さんはいつでも「総理」と呼び、しっかりと一線を引いています。
昼食はいつも蕎麦で、5分程度で食べ終わります(蕎麦は昔のファーストフードでした)。
選挙の時に地元・横浜を回る時はマクドナルドやジョナサンで済まるというストイックな菅さんですが、味覚は「甘党」で、パンケーキが好物といいます。
さらにいちご農家出身という響きもポイントが高く、さらには
↑↑↑こんなやわからい生き物が近くにいる現場を放送されたり、
↑↑↑このように真正面から笑顔でカレー食べてる写真など、
周囲の小物が引き立て役になったり、相乗効果でさらに隠れた可愛さが掘り起こされ、なおかつ倍増する不思議な現象が、菅さんの周囲では報告されています。
秘書さんは、甘い物出すタイミングを心得てるのでしょうねえ。
農耕民族である日本人のDNAに組み込まれている「畑やってた昔のおじいちゃん顔」が、何か郷愁を呼ぶのでしょうか。
苦労人ならではの頭の良さ
菅義偉さんはその経歴からもわかるように、今ではめずらしくなった、たたき上げの政治家です。
家族構成は、奥さんと息子3人の5人家族で、お酒もたばこもやらないストイックさがあります。
第2次安倍政権では歴代最長の官房長官となり、安倍政権を支える重要閣僚として活躍。
……まあ、ズブズブの「アベトモ」ってやつですかね……仕方ないのかな。
総理の女房役とか内閣の番頭とも呼ばれる官房長官の職域は実に幅広く、大規模災害などの際の危機管理や各種政策の調整、また、政権におけるスキャンダル対応など多岐に渡ります。
その上1日に2度の会見を行い、政府の方針をマスコミを前に説明しなくてはなりません。
また、忙しい日程の合間には1日に20件ほどの地方自治体からの陳情や官僚の報告もあります。
そう考えると官房長官は、やはり有能な人物でないと務まらない重要閣僚だといえるでしょう。
菅さんは、政治の師と仰ぐ梶山静六さんの「役人の説明を鵜呑みにせず、いろんな人から話を聞いて自分で瞬時に判断する力を養え」という言葉を常に胸に刻みつけているそうです。
そのせいか、いつも携帯を持ち歩き、何か気になることがあるとすぐに秘書官などに問い合わせるようです。
また横浜市議会議員時代には、365日、駅前での街頭演説を続けていたそうです。
このような情報収集能力や市議会議員時代に培った粘り強い心、そして政治家秘書時代の人脈を最大限に活かす姿勢などから、彼の有能さは生まれたといって良いでしょう。
「影の総理」とか「最強の官房長官」などとも呼ばれる菅さんは、時には強権的だとか威圧的だという批判を受けることもあります。
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菅義偉官房長官の無敵コメント
菅さんは会見における断定的なものいいで、マスコミの集中砲火を浴びたこともありました。
まず見た目の好感度が高い人ですが、時には自分の意向を曲げない冷徹なリアリストとしての側面をみせることも、ある意味菅さんの一面です。
ネットでは、「菅官房長官の定型句で受け答えしてしまえば、どんな中傷や非難も簡単に片づけてしまうことができる」と話題です。
ツイッターでハッシュタグがつけられ、「#菅官房長官語録」として、一時期盛り上がっていました。
そのようなことは断じてない。
その指摘は全く当たらない。
個別の事案について答えることは控えたい。
まったく理解できない。きわめて遺憾。
不退転の決意で、正々堂々と、法令にのっとって粛々と進めるだけ。
よく意味がわからないというのが率直なところだ。レッテル貼りはやめていただきたい。
あいた口がふさがらないという言葉があるが、まさにこのようなことだろうと思う。
これだけのフレーズで、どんなクレームもラクラク処理できると話題です。
「菅官房長官語録」を流行らせたツイッター主は、以下のように分析しています。
↓↓↓
ところが、#菅官房長官語で答える では一応受け答えしているので、傍目にはコミュニケーションが成立しているように見えてしまう。質問者はその問いかけが真摯であれば真摯であるほど心理的なダメージが大きいし、周りには愚か者のように見えてしまう。これが菅語の恐ろしさの秘密。
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) October 1, 2015
ほかにも政治家として、
安重根についてわが国の立場は、死刑判決を受けたテロリストであるということ。(韓国に対して)
私、カールおじさん食べたことないんじゃないかな(スナック菓子のカールおじさんの製造中止についてコメントを求められたとき)
などなど、正直かつ冷静、ときどき無慈悲な発言が話題を呼ぶことがあるものの、
政府の立場でコメントは控えたいが、個人的にはやっぱりうらやましいなあと思う。
(鳩山邦夫元総務相(自民党)の2013年分の所得が29億円を超えたことについて)
たまにこういう変化球を投げてくるのだから、悪いイメージが持ちにくいです。
苦労人だったからか庶民の感覚が強いく、やる気なさそうに見えていったんスイッチ入れば言いたいことズバッと言うし 、安倍首相より、菅さんのおかげで日本なんとかなってるという感じさえします。
また、彼は豊臣秀吉に仕えた家臣、豊富秀永のナンバー2に徹した生き方を参考にしているとのこと。
このような冷徹な政治家としての一面と、ナンバー2に徹する忠誠心が総理からの大きな信頼を得て、結果的に官房長官という大きな役職に任命されたのではないでしょうか。
派閥政治を否定しつつも、自民党内の中堅議員や若手議員との勉強会を定期的に開催し、着々と影響力を強める彼の姿勢からは、今後の政界を見据えて政治を動かしていこうという野心も見えてきます。
まとめ:華はないけど謎の安定感
菅さんは政界にコネが全くなかったのに、今の地位を築き上げました。
何の後ろ盾もない、派閥を何回も変えてるのにスピード出世したため、2世やお金持ちが多い政界では、よく思わない人も多いことでしょう。
その中でこのポジション、凄いと思います。
ぼくとつで真面目な、昔ながらの東北の農家のおじさんって感じがするので、人気があるのでしょう。
こういう人に総理になって欲しい気持ちもあるけど、このポジションだからこそ菅さんの気質が生きると思うので、官房長官が適任なのかなあ。
菅さんを見てると、政治家に華やかさだけを求めるのは愚かだなーって実感します。
総合的に冷静に淡々と、涼しい顔して丁寧かつボロクソにコメントできる場面がちょこちょこあるので、見逃せません。
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