鈴木直道北海道知事の経歴プロフィールと嫁と評判、夕張市の実績は

2019年統一地方選挙に、鈴木直道元夕張市長が、北海道知事選に自民党から出馬し、みごと当選しました。

この人は、元夕張市長です。

夕張メロンで知られる北海道夕張市に、2011年4月、全国最年少の市長が誕生しました。

もともと東京都職員でしたが、都から国経由で夕張市に派遣され、夕張市を救うために職員を辞めて、手取り年収250万円で市長になり、町の消滅と闘った人です。

都職員のままなら、その倍はあったでしょうに。

公務員のお給料のことだけを言うなら、高値で貼り付いている公務員給与が是正されたため、まあこんなふうになるんだなーという例にはなりましたね。

そういえば30代半ばで退職した夕張市職員、今どうしてるのかなあ。




鈴木直道のプロフィール

なにはともあれ、まずはプロフィールを確認。

氏 名 鈴木直道(すずき・なおみち)
生年月日 1981年3月14日(2019年で38歳)
出生地 埼玉県三郷市
高 校 埼玉県立三郷高等学校(偏差値41)
大 学 法政大学第二部法学部法律学科(夜間大学)
経 歴 東京都知事本局総務部総務課主任
(内閣府地域主権戦略室出向、夕張市行政参与)
職員派遣 夕張市に派遣(2008年1月~2010年3月)
前 職 夕張市長(2011年4月~2018年11月)
その他 愛犬に「まめ」という柴犬がいる。選挙運動で
しばらく家に帰らなかったら吠えられた。

母子家庭の苦労人です。

若い頃はスーパーの仕出しにカメラ店、引っ越し業者、土木作業現場、お酒の卸売りセンターなど、ありとあらゆるバイトをしました。

お金がないと知られるのがいやだったそうで、切れ目なくバイトをしたことで、いろんな勉強になったと言っています。

思わず泣ける話が、土木作業現場のアルバイトのエピソード。

朝4時に1人で現場に行かされて、その日の夕方までに全部やっておけ、と言われます。東京の夏は暑く、屋外の現場なので日陰もありません。木枠の陰で休んでいたら、夏休みを満喫している高校生が「何やってんだ、こいつ」という表情で通り過ぎていくんです。みんな楽しそうで、普通の高校生活に憧れたとのこと。・゜・(ノД`)・゜・

経済的な事情により高卒で東京都職員になり、さらに都職員として働きながら法政大学の夜間部に通っています。

法政大学の夜間部でボクシング部に入部し(部長だったそうで)、東京都職員と二足のワラジをはきながら、きちんと4年間で卒業。

東京都職員時代は

・東京都健康安全研究センター、

・東京都立北療育医療センター、

・東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課

と、保健分野の畑を渡り歩いています。

2010年、東京都の総務部総務課主任として内閣府地域主権戦略室に出向、同年夕張市行政参与に……。

つまり、東京都職員からいったん国の派遣職員になり、国家公務員の身分を得てからさらに夕張市に派遣された、ということですね。ややこしいですね。

夕張市は2006年から財政再建団体になっており、職員のお給料を国が負担する形で、職員が半分辞職してしまって人手不足の夕張市のフォロー要員として人員を派遣していたということです。

まーよーするに「不足分の人件費として国費を投入した」ということになるのかな。

自分たちが夕張市を見せしめのために破綻させたのに、なんのこっちゃら。

その後、思いがけず夕張市長選への出馬要請を受けます。

相当迷ったそうですが、実際に夕張市で働いて1年もしない同年2010年11月に東京都職員を退職、翌2011年4月の統一地方選挙の夕張市長選挙に立候補し、初当選を果たしました。

すごいですよ、当時は無所属の出馬で、自民・公明・みんな3党の推薦を受けた元衆議院議員の飯島夕雁氏や、実業家の羽柴誠三秀吉氏などを破っています。




鈴木直道氏の奥さんは?

↓↓↓右の人が鈴木氏の奥さん。美人。植樹祭らしい。

<ツイッター画像より>

鈴木氏が夕張市長になる時は、家族から猛反対がありました(今では応援してくれている)。

鈴木氏は結婚しており、奥さんは東京都の人。ずっと東京都の足立区の実家で育ったそうです。

鈴木氏が夕張市に派遣される頃には結婚することが決まっていて、すでに埼玉にマイホームも購入していたのに、いきなり最果ての北海道の、よりによって破綻した自治体の市長夫人になったんですからね。

よく逃げなかったです、鈴木氏をとても好きだったんですね。

埼玉のマイホームは売却したようです。

市長に当選してからすぐ、2011年5月に夕張市で結婚。

しかし市長としての報酬は、就任してから今までずっと70%カットの250万円に抑えたままで、これでは家計をあずかる奥さんはたまりません。

鈴木氏は奥さんから「とにかくちゃんと家にお金を入れて下さい」とつねづね言われているとのことで……。

現在は夕張市内に家を買って2人で住んでいて、子供はいまのところおりません。

今回の知事選に出馬する時も『もう1回ゼロになるけど、知事選に挑戦させてほしい』 と奥さんに話し、理解を得ることができました。

言い忘れましたが夕張市長職の退職金は100%カットなので……政治家の奥さんも大変です。

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夕張市長と書いてミッションインポッシブルと読む

夕張市は炭鉱の町で、いちばん栄えていた1960年時の人口は約11万6000人。

これが2019年3月現在は8000人ちょっとにまで減少、もう8000人台を切るのも時間の問題。

私は道央圏育ちなので、小さい頃はドライブで夕張市に遊びに行ったことが何回かありますが、あんな辺鄙な場所になんでこんなに立派な施設がたくさんあるんだろう?と幼心に微妙な違和感を感じていました。

これは前々市長の故・中田鉄治という人が1979年以降、夕張市長を6期24年もつとめて、「夕張映画村」「石炭の歴史村」として、観光政策に必要以上の力を入れていたからです。

やり方がまあ滅茶苦茶で、とにかく施設にがっぽがっぽとカネをつぎ込みました。

1980年 夕張市石炭博物館 約14億8300万円

1983年 石炭の歴史村(遊園地) 約55億円

1985年 めろん城  約6億5000万円

1988年 ロボット大科学館 約8億5000万円

2002年 マウントレースイスキーリゾート 約26億円(松下興産から買収)

現在、これ全部閉鎖されてます。まあ、破綻以外の道はなかったですよね。

この原資はもちろんすべて借金で、「地方債」という、自治体が国に借金をする制度をガンガン利用してつくったもの。

とうぜん夕張市の借金は膨らむ一方で、返せる訳ないじゃんこれ。

ふるさとの炭鉱の町をなんとか復活させようとした気持ちはわからないでもありませんが、バカスカお金をつぎ込んだって時代の流れは変えられません。

人口流出を止めることはできず、税収は減る一方。

だんだん首が回らなくなってとった手段が「ヤミ起債」。

ヤミ起債についてはこちらに内容が記載されていますが、継続すればするほど「自治体の自転車操業状態」になることは明らかで、これを国も道も見抜けず、2006年破綻。

当時人口1万人ちょっとの自治体が、353億円もの借金を20年かけて返済する計画を国からつきつけられます。

まさにミッションインポッシブル。

総務省から見せしめのような措置を取られ、対外的に第2の夕張出現を阻止できたものの、この尻拭いを引き受ける形となった鈴木氏は、とにかく財政緊縮を続けるしか手段がありません。

巨額の借金返済、1万人を下回る人口、日本で最も高い高齢化率46.9%、全国最低の15歳以下の子供の数、過酷な自然環境……これ以上ないと言うくらいのハンデを背負った環境下で、コンパクトシティ化と住民参加型のまちづくりを推し進め、新しい夕張の形を見出そうと奮闘しました。

職員の半数は退職、公務員の給料はもちろんカット、住民税は上がり、学校は統合+閉鎖、居住区域を限定して……。

2016年、やっと「緊縮一辺倒」の政策から脱出したところです。よく凌いだよな……。

↓↓↓居住区域を集中させた「コンパクトシティ」の指定対象外区域外の部分は、2017年現在はこのように自然崩壊していっています。

いやあのね、この建物見ると「ひどい」と思う人が多いでしょうが、30年前にやりすぎただけなんですよ。

片付いていないだけで、自治体の生活水準が適正になっただけなんです。

市役所HPの借金時計では、財政赤字は約192億円。

市民1人当たり約409万円(全会計2019年3月時点)と、いまだ膨大です。

しかし、それでも160億円の借金を、鈴木氏は返済しました。

ツイッター民の評判は?

ツイッター民の評判はどうでしょう。

まとめ:夕張市なんてチョイスがしぶすぎ

選挙結果は以下のとおり。

鈴木直道(無所属・新)当選 162万1171票

石川知裕(無所属・新)96万3942票

石川候補も健闘しました。

鈴木氏の裕福とは言えなかったであろう生育環境から考えると、やはり政界進出の野望らしいものはもともとあったのでしょう。

それにしても夕張市なんて問題が根深い自治体に、よく市長になってくれたものです(by北海道民)。

あの状況の自治体の長に30歳そこそこで名乗りを上げるなど、大変な努力と決意がないとできません。

政治家としてのキャリアのスタートに夕張市という場所を選び、ものすごいドブさらい役を引き受けることで、知名度を上げました。

総務省も少し態度を軟化させてきていますが、夕張市民も長いあいだ未来が見えず、一定の限界に到達。

しかし、コンパクトになってムダな出費が無くなったので、それだけ行政サービスもスリム化することができたとも言えます。

公務員給与についても、本来の自治体の規模につりあった給与水準になりました。

本当に必要なサービスだけが残り、優先順位の低い仕事は放置されるので、前例踏襲主義のお役所仕事のうち、やらなくてもいい仕事を淘汰する絶好の機会だったのだと思います。

鈴木氏が北海道知事になったら、北海道庁がすごい緊縮財政になりそうです^^;。

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コメント

  1. あ… より:

    石川は96万票じゃなく66万票じゃなかったかな?

  2. tomotomoheaven より:

    ご指摘ありがとうございます。

    うーん、やっぱり96万票です。
    ↓↓↓
    https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/2019/01/14033/skh44689.html