2019年の7月27日(土)は「土用の丑の日」。
江戸時代の天才学者・平賀源内のウルトラナイスなキャッチコピーにより、その後250年近くにわたり、日本では「う」のつくものを食べる日になってしまいました。
いやーすごいですね、その後2世紀半以上にわたり、日本の食習慣と物流を変えた、まさに広告の神です。
今回は、「う」のつく食べ物の中の人気ナンバーワンキング、「うなぎ」の食べ方について。
昔は庶民の食べ物だったのですが、今のうなぎ屋さんは、ちょっとかしこまった高級店な感じが大きいですよね。
この時期のうなぎは、だいたいお店に行って「うな重」「ひつまぶし」を注文する人が多いかと思いますが、基本は和食の膳のマナーと同じです。
お重もの、丼ものの失敗しない、恥をかかない、テッパンの食べ方についてまとめてみました。
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うな重の食べ方
うな重とうな丼の違いは、重箱に入っているか丼に入っているかの違いくらいで、あんまり変わりません。マナーは共通です。
しかし、うな重の方が、うなぎの質を高くしたり量を多くすることで、重箱と丼で差別化を図っていることが多いです。また、うな重の方にはお吸い物がつくことが多いです。
(1)蓋の開け方
お重でも丼でも、まずフタを開けなくてはいけませんが、両手でお椀のときのように丁寧に開けましょう。
和食に使う重箱や椀は漆器で、非常にデリケートなものです。絵柄も描かれていてとても傷つきやすいです。
特にお重の蓋はけっこう重いですが、キズをつけないように、両手でゆっくり持ち上げましょう。
蓋の裏についた水滴をこぼさぬように蓋を裏返して開け、裏返したままテーブルの上に置きます。
お重・丼・お吸い物などどれか単品のみで出ている時は、蓋は本体の向こう側に置きますが、うな重の場合は、お盆の上に、うな重本体と汁物が一緒に出てきます。
↓↓↓例えば、こんな風に出てきた場合
出典:http://yamadasuisan.com/unaginoeki/
左側に置かれている料理の蓋は左側へ、右側に置かれている料理の蓋は右側へそれぞれ置くのが基本です。
①まず、重箱のふたを開ける
うな重本体が左側に置かれているので、重箱の蓋は左側に置きます。
②次に、汁物のふたを開ける
吸い物が右側に置かれているので、お椀の蓋は右側に置きます。
蓋は、それぞれあお向けに置きます。ふたの模様が見えないようにしてください。
ただしうな重の場合、テーブルが狭くて蓋を置く場所がない時は、お重の下に重ねてもOKです。
(2)お重に箸をつける前に、吸い物を一口いただきましょう
和食の料理人さんは、吸い物に命をかけてます。
その心遣いを無駄にしないよう、汁物が冷めないうちに、まずは先に一口いただきましょう。
(3)どこから食べるの?
右利きの人は左下から、左利きの人は右下から。
上に乗ってるうなぎと、下側のごはんと、同時進行してくださいね。
真ん中から食べたり、うなぎやご飯を崩すような食べ方はしないようにしましょう。
普通でいいんです。
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(4)お重を手で持っていいの?
お重は、手で持っても置いたままでも、どちらでもかまいません。置いたまま食べる場合は、猫背にならないよう背筋を伸ばし、(右利きの場合は)左手をお重に添えましょう。
食べ始めは重いのでしっかり持ってくださいね。
ただし、お重に直接口を付けて、ごはんをかきこむのはやめましょう。
本来和食は、器を持って食べてもいいいのです。それよりも犬食いと呼ばれる低い姿勢のほうがマナー違反なので、持ったほうが実は正しいのかも知れません。
だからといって、置いたまま食べたところで誰も文句はいいません。
(5)山椒をふりかけるタイミングは?
うなぎには山椒がつきものですが、食べる分ずつふりかけます。
最初に全体にぶわーっとふりかけないようにしましょうね^^;。
また、うなぎとごはんは同時になくなるように、食べる量をうまく調節しながらいただいてください。
(6)食べ終わったら蓋はどうするの?
初めに出てきた時と同じように、器の上に、模様が見えるように置きましょう。
食後の器であることがわかるようにちょっとずらすこともありますが、基本的に出てきた時と同じ状態になるよう、ふつうに戻しておけば問題ありません。
ふたを裏返して食後のお椀の上に乗せるのは、マナー違反です。デマです。
漆器の模様が禿げたり、傷ついてしまいますので、やめましょう。
まとめ
最近のマナーというのは、マナー講師がお客さんを集めるために「マナーの奥義」を創設していることが多いので、必要以上に堅苦しくなりがちです。
確かにうな重は、1年に数えるほどしたいただけない高級品で、妙な気合が入ってしまうもの。
いっしょにうな重をいただいている人に不快感を与えず、楽しい時間を過ごすことが一番大事です。
どこのうなぎ屋さんも、土用の丑の日は大混雑。
予約しないと当日席がないということなんて当たり前なので、お店に行く日をちょっと前後にずらすのもいいのではないでしょうか。
こういう時はきっと誰かと一緒に行くことが多いでしょう。
たくさんの人たちと楽しく食事してる時に何気なく周囲を見渡して見るのも面白いかもしれません。
普段の何気ないしぐさにも、しとやかな佇まいが感じられる人はほほえましいですね。
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