2017年はじめ頃にさっそうとテレビに登場し、私の目を釘付けにした女性がいました。
その名は志麻さん。
本名は「タサン志麻」(なんかかっこいい)。
またの名を「伝説の家政婦」。
志麻さんは出張料理人です。
各家庭に出向き、冷蔵庫の中のものをパッと見て、依頼者の意向を最大限くみとり、契約時間内(3時間)でなんと15品以上の料理を作れるすごい人。
私がテレビを見たときは、セレブなご家庭のお子さんの誕生パーティーで、子連れママさんたちが複数呼ばれていて、そりゃあもう始まる前からにぎやかな様子。
「どんな料理が出てくるの?」とわくわくしている子供たちの無邪気な瞳に、みごと応えた志麻さんが特集されていました。
セレブな冷蔵庫を開け、中に入っている食材を確認したら、すぐに手際のよさ、見事なレシピの豊富さもさることながら、私が注目したのはその人間性。
限られた時間と食材の中で、一品一品、とにかく丁寧に作ることを大事にしている人でした。
今回は志麻さんについてご紹介します。
確かパーティー前の子供たちに「食前のおやつ」まで作ってましたよ、すごいです。
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タサン志麻さんのプロフィール
まずは、プロフィールを確認。
本名:タサン志麻
年齢:30代後半
学歴:大阪あべの・辻調理師専門学校卒業
(おそらく「フランス留学コース」)
家族:夫・子供あり
その他:フランスの三つ星レストランで修行、東京の三ツ星レストランで15年働く
勤務先:タカスジ
タレントではなく一般の方なので、詳細なプロフィールはありません。
志麻さんの料理の原点は、おばあさんとお母さん、そして義理のお母さん。
お父さんの職業はわかりませんがお母さんは看護師で、両親は共働きで、志麻さんは母方のおばあちゃん子でした。
おばあさんは質素な暮らしの中で、庭の花を育てたり、小さな畑で自分で育てた野菜で料理をする人でした。
志麻さんのお母さんがすごい点が、激務の看護師だったのに「疲れた」「仕事は嫌だ」などの愚痴を一切言わない人だったのです。
このため、志麻さんは仕事をしながら子育てすることに先入観がなく、むしろ自然だったと話しています。
働くことは楽しいという考え方を子供に教えてくれたのは、おそらくとても幸せなことです。
また、小さい頃から料理のお手伝いもさせてくれて、自然と料理を作る楽しさを教えてもらったとのこと。
仕事が休みの日は他にもピアノや編み物、絵の描き方など、いろんなことを教えてくれました。
この頃の記憶が、志麻さんの後年の人生に大きく影響します。
本格的に料理の世界へ
その後、志麻さんは料理学校で有名な辻グループのひとつ、「大阪あべの・辻調理師専門学校」を卒業しています。
インタビューで「日本とフランスの調理師専門学校に通った」とコメントしていますので、おそらくこの専門学校の「フランス留学コース(1年制+留学)」に在籍してたものと思われます。
この学校の名前は知っていましたが、西洋・日本・中国料理を総合的に学べる学校なんですね、知らなかった^^;。
日本で1年間勉強したあとは、フランスの三つ星レストラン「ジョルジュ・ブラン」で半年間修業。
フランスの三つ星レストランは、世界中から料理人が集まって切磋琢磨する場所。
フランスの「三ツ星」クラスのレストランには、もう一流どころの客層かつ超一流食材が集まり、とにかくあらゆる質が違うため、ここで志麻さんは高い料理のスキルを体得しました。
フランス有名店で修行した経験という財産を引っさげて日本に帰国した志麻さんは、東京の有名フランス料理店で15年働きます。
このお店では、女性シェフを採用されたのは志麻さんが初めて。
料理人さんという職業は非常に激務ですが、やはり志麻さんも例外ではなく、1日19時間労働だったそうです。
結婚を機に退職しました。
志麻さんの家族は?
志麻さんは、フランス人の男性と結婚し、男の子が一人生まれています。
その旦那さんがなんと、15歳年下!!
テレビにちょっと出ていたことがありましたが、やっぱりイケメンさんでしたね(*´∀`*)。
旦那さんの職業はわからないのですが、やっぱり料理関係なのでしょうか。
お子さんは2017年中に生まれてますから、まだ2歳にもならないのかな。
名前は「真之介」くんというそうです。
現在は都内の築60年の古民家にお住まいで、とっても素敵な空間に、フランス人のイケメンご主人とお子さん、そして猫と一緒に暮らしています。
この「古民家」というのも、家賃が安いどうこうというんじゃなくて、空間の雰囲気重視で選んだのでしょうね。
そして志麻さんは、フランス人の旦那さんのお母さんからも料理で大きな影響を受けています。
彼女は4人の子どもを育て上げたパリジェンヌ。
その義母の料理が、素朴で温かくシンプルな料理で、すばらしくおいしかったことは、志麻さんの記憶に長く残っています。
そして日本の女性と違って、フランスの女性は料理をするときにまったく気負わないどころか、楽しみながら作業するそうです(笑)。
そういえばそうなんですよね、私たちは台所に立つと、どうしてあんなにストレスになるんでしょうか(遠い目)。
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志麻さんの家事代行サービス
志麻さんは今はレストランのコックを辞め、家事代行サービスに登録して他人の家の台所で料理をしています。
お給料にも名誉にもことかかない、三ツ星フランス料理店のシェフの座を投げ打って、なぜ家事代行サービスの仕事を始めたのでしょうか。
結婚してお子さんを授かったせいもあるでしょう。
しかし一番の理由は、東京の華やかな有名レストランにいるうちに、しだいに「本当に作りたい料理は別にあるのかもしれない」と感じ、だんだん「家庭料理を作りたい」と考えるようになったから。
志麻さんはフランスに留学した時に、一流レストランの華やかなコース料理よりも、厨房で料理人が腕試しも兼ねて挑戦するまかない料理、下宿先の家庭料理、さらに友達どうしで作りっこした料理の方に、より感動したとのこと。
フランスのお母さんたちが毎日作るような素朴で温かい料理や、祖母や母が作ってくれた懐かしい料理を作りたい。
フランス人の日常の料理が気取らず気さくでシンプルで、かつ豊かな味わいで、東京の仕事に忙殺されている最中、その幸福な記憶が少しずつふくらんできたのでした。
そして一流レストランを退職後、フリー形態で料理の仕事ができる場所を探してたどりついたのが、「タスカジ」という、家事代行サービス会社。
Bizコンパスに代表和田のインタビューを掲載いただきました!タスカジ創業までの道のりについてお話ししています。
家事代行を“シェアリング”で提供するサービスができるまでhttps://t.co/SfIwJnI6F0 https://t.co/SfIwJnI6F0
— タスカジ|TASKAJI (@taskaji) December 20, 2018
一般家庭が気軽に家事をアウトソース出来る環境をつくるための、家事代行サービス会社です。
対象地域は、
・東京を中心とした首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・横浜)の一部
・大阪を中心とした関西(大阪府・兵庫県・京都府・和歌山県・奈良県・滋賀県・神戸)の一部
で、これから範囲を拡大してくそうです。
北海道にきてくれるのはいつのことでしょう……。
志麻さんの年収は?
タスカジさん(家事を代行してくれる人)が設定している料金と、依頼内容によって、1時間あたりの金額が変わります。
2019年2月時点で、タスカジさんの時給はランクによって次のように分かれています。
1500円 (定期1850円)
1850円 (定期2300円)
2300円 (定期2600円)
※交通費は別途必要
※テレビの密着取材中の時期は、撮影が可能なお客様のみ受けさせていただきます、とのこと。
※ちなみに、志麻さんのIDはこちら⇒アカウントID: 3273
「定期」というのはようするにお得意さん、リピーターのことで、現在志麻さんはこの定期の依頼者で枠がいっぱいに埋まっているらしく、新規のお客さんは受け付けていないそうです。
志麻さんレベルのスキルを持っていれば、当然に1時間2600円の料金設定。
タスカジは、1回の依頼につき3時間固定です。
AM 9時~12時
PM 13時~16時
夜 18時~21時
志麻さんはあちこちから引っ張りだこの人気ヘルパーさんですが、お子さんがまだ赤ちゃんなので、夜は仕事入れないんじゃないでしょうか。
志麻さんの年収については概算ですが、
1日2枠 × 時給2600円 × 3時間 × 20日 = 31万2000円(月収)
これを12ヶ月計算すると、年収374万円(税抜き)くらいになると思われます。
……最初テレビ見たとき思ったのですが……安すぎますよね。
会社の規定だからしょうがないんでしょうけど、これだけの経歴を持っている人が時給2600円だなんて……しかも、ここから会社のマージン引かれるんでしょ?
だいたい2割くらいが会社の手数料だと仮定したら、志麻さんの手取りは約300万円ですよ。
これだけの腕前を持っているなら、もうフリーで出張料理やってもいいんじゃないかと思うんですけど、スケジュール管理とかお金の管理とかが煩雑になるしで、やっぱり会社に属しているメリットは大きいんですよね。
本場仕込みの魔法を、我が家のしょぼい台所で披露するとちちんぷいぷいあーら不思議、「同じ食材と同じ調味料を使っているのにどうしてこんなに違うのよ!」的な料理が出来上がるんですよ。
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しかし志麻さんのだんだん評判は高まる一方で、ついにテレビ局からお呼びがかかり、当然といえば当然に話題沸騰。
志麻さんの初の著書『志麻さんのプレミアムな作りおき』 は大人気で、今や第15刷の増刷になってます。
あまりに安い代行サービスの時給に心配してしまった私も、本の印税が志麻さんに入るので安心しました(笑)。ここは計算できないですね^^;。
その後も数冊の本を出しているので、もう1000万円はくだらないんじゃないですか(予想)。
やはり、高い技術を持った人のもとには、それに見合った報酬を得てほしいものです。
こういった本の出版が次々と叶ったのも、志麻さんの一流の技術と、依頼人をもてなす精神の賜物。
志麻さんは出張料理の仕事をするときは、次のことに気をつけているそうです。
・栄養バランスを偏らないようにする。
・リピーターの方も多いので、和洋中、フランス家庭料理、エスニックなど、毎回飽きないように内容を回す。
・見た目は大事。彩りにも配慮する。
・フランス料理店で学んだ基礎を大切に、ていねいに作る。
・常に新しい料理を研究し続ける。
常にお客様の笑顔をイメージしながら日々勉強とのことで、これなら美味しいのも当たり前ですね。
まとめ:各家庭で3時間一本勝負
冷蔵庫にあるふつうの食材が、志麻さんの手にかかればなぜかワンランク上の贅沢レシピに早変わり。
依頼者からの急なリクエストにもすぐに応えられるのは、人生の前半を捧げて会得した技術の賜物。
もちろんそのサービスの腕前は絶賛の嵐。
見ていてこちらが心配になることがまったくない。
何も言わなくてもフレンチから和食、洋食、中華、アジアンフードまで幅広く作ってくれる。そして仕上がりの見た目もとても美しい
品数は平均して3時間で13品くらいですが、すべてがちゃんとした本格お料理になっている。ひと手間かけられているので非常に満足度が高い
志麻さんの料理を食べると幸せになります。やさしくなれるし、癒されます。
志麻さんは、お客さんの意向にできるかぎり最大限の努力で応えてくれます。
依頼人は何もいいとこの奥さんばかりではなく、ごくごく一般家庭の奥さんが、何か特別なイベントのために志麻さんの一流のスキルを、比して格安のお値段で藁にもすがる思いで頼むこともあります。
それでも志麻さんは、どんな家庭の小さなキッチン、小さい火口でも、パーフェクトに料理を仕上げてくれるのです。
前日からどれほど一生懸命仕込んでくれたのか、それは出来上がった料理を見れば、依頼をした側が一番よくわかるはず。
若い頃の志麻さんは、けっこうツンツンしていて、自分の基準で比較してやる気のない人を見ると、すぐ自分が代わりにやってしまうタチで、自分にも人にも厳しく、やさしくない人間だったそうです。
しかし、結婚して子供が生まれ、現在は次のような思いを胸に、台所で鍋を振るう毎日です。
家族の食卓を通じて、フランス人が最も大切にする、あったかい料理でゆっくりくつろぐ時間を大切にしていただきたい。
たとえ日々多忙でも、1日1時間だけ家族みんなで楽しめる豊かな食卓があれば、どんな疲れだって吹っ飛ぶ。
人生を楽しむ豊かさ、その瞬間をみなさんで共有いただけたら。
その想いだけなんです。
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