国内最大の指定暴力団・山口組の組員が、毎年10月31日のハロウィンの16時頃、神戸市灘区の総本部で子供にお菓子を配る風景が話題になっており、2018年も例年どおり行われました。
「怖いお兄さんの仮装をしている」という設定なのでしょうか。
目的は周辺住民の不安を柔らげるためで、毎年の恒例行事となっています。
近所の住民は 「山口組さんのハロウィン」と呼ばれていて、悪いイメージは持っていないみたいです。
2014年は用意された875個のお菓子が、わずか3時間ほどで配布終了、お菓子の中身も年々豪華になっているとか。
地道な努力の賜物ですね。
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指定暴力団・山口組のハロウィン
指定暴力団・山口組の総本部は、神戸市灘区にあり、ここは高級住宅街です。
事の発端は約20年前、山口組に「トリックオアトリート!」と言いながら、イギリス人の母子が間違って突撃したことがきっかけで、山口組もハロウィンに参加するようになりました。
もしかしたら、日本で一番最初にハロウィンが定着したのはこの地域かもしれませんね。
毎年、地域の子どもたち全員が来ることを想定し、だいたい1000個くらいの袋詰めのお菓子が用意されています。(ちゃんと子供の人数を把握しているのでしょう)
お菓子の配布場は普段は固く閉ざされている山口組総本部駐車場で、シャッターが開くと同時に「ハッピー・ハロウィン!」という山口組関係者の声と、外で待っていた子どもたちの「トリック・オア・トリート!」という声がこだまします。
ちゃんとしたハロウィン用の袋に、いろいろな種類のお菓子が手作業で詰められています。
ハロウィン用の袋に、こわもての暴力団がもくもくと中身のお菓子(賞味期限用のものが混ざらないように気をつけているとか^^;)を詰めているのかと思うと、確かにちょっと可愛いです。
歴史的に見れば、昭和時代のヤクザの親分は、地域の祭りや商売を仕切る名士で、地元の人たちに尽くすことは当たり前。
住民と冠婚葬祭での付き合いも普通に行われていて、市議会議員になった組長もいたほどです。
この地域は、山口組がいるために非常に治安がいいそうです(抗争に巻き込まれない限りは、ですが)。
そういった「古き良き時代の名残り」や、地域独特のスタンスもあるのかもしれません。
山口組分裂騒動で一度とりやめ
2015年に一度中止になりましたが、この理由はずっとハロウィンのお菓子の仕入れ担当だった組員が山口組分裂騒動で組を離れ、残った組員が仕入れの方法が分からなくてお菓子を手配できなかったため。
この時、総本部前にはり出された紙の内容がこちら↓↓↓
毎年十月三十一日には、恒例のハロウィンを催して居りましたが、本年度は諸般の事情により中止する事になりました。楽しみにして頂いて居りました御子様方
には大変残念な思いをさせますが来年は必ず開催致し
ますので、楽しみにしていてください。取り急ぎご報告させていただきます。六代目 山口組総本部
律儀というかなんというか……しかしこのひどく丁寧な文章は、分裂問題を1年以内に解決するという宣言でもあります。
果たして約束通り、山口組側は2017年はなんとか仕入れ先を確保、しっかり準備してハロウィンイベントを再開させました。
お菓子配りの復活に、子ども達は大喜び。
・「男の約束」を守った!
・「やっぱり“約束”をはたしてくれたんや!」
・「やっぱり山口組さんや」
・「山口組のおかげで地元に暴走族が減った」
と、手放しで喜ばれました。
阪神大震災でも活躍した山口組
山口組は阪神・淡路大震災の時、救助や炊き出しにも真っ先に動いて活動したようで、そのせいか悪い印象を持たない人は多いです。
しかし、炊き出しや被災者救出というのは一側面で、本当の目的は別にあります。
どさくさに紛れてシマを持っていこうとするよそ者の排除と、自分たちの縄張りの維持です。
渋谷のハロウィンとの比較
2018年ハロウィンは、渋谷で若者が軽トラをひっくり返す騒動がありましたが、それとこの「素行の良いヤクザのハロウィン」を比較すること自体は違うものだと思います。
しかし確かに、あの渋谷の若者たちは、一度山口組に弟子入りして、組員からハロウィンの作法を教えてもらうのはひとつの方法かもしれません。
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今年は初めて住民が抗議
要は、山口組関係者は総本部一帯の地域では悪さをしていないということなのですが、それは裏を返せばそれ以外の地域では悪さをしているということです。
指定暴力団の山口組がハロウィンに子どもたちにお菓子を配ることに対し、兵庫県警は以前から自粛を要請していました。
しかし2018年から、地元住民が「暴力団が子どもを誘うな」と、今年初めて抗議パレードを実施しました。
100名規模のパレードが見守る中、しかし今年も山口組のお菓子配りは、予定通り敢行されました。
地元住民の行動は極めて正しいのですが、暴力団員のほうも、その優しい心があるのなら、堅気になってほしいです。
↓↓↓2018年の袋の中身
今、ヤクザはほとんど何も出来なくなってきています。
末端の構成員が何か事件を起こしただけで、組長まで使用者責任で賠償請求が行くようになっていますし、指定暴力団だと銀行口座も持てないですし、本当にちょっとした事で逮捕されるようになっています。
だから、「ちょっとしたこと」で通報されないよう、自分たちが追い出されないよう、住民を懐柔しているだけです。
しかし、子供に対しては、損得なしに笑顔で接することができるので、現場のヤクザのおじさん達は楽しいのかもしれませんね。
ヤクザは社会の必要悪……の側面も否定できませんが、それでもやはり一般住民とは相容れない人たちです。
まとめ:ヤクザのイメージ活動に騙されてはいけない
ディズニーやハロウィンかぼちゃのパッケージで、いかにもかわいく包装されたあの綿菓子は、ヤク漬けにされた人の命でつくられたものです。
うわべの姿に惑わされず、シンプルに考えましょう、ヤクザだけど良い人、なんて都合のいいものはこの世に存在しません、悪い人だから職業ヤクザをやっているのです。
それを教えるのが親の役目ではないかと思います、子供にヤクザに対する警戒心を解かせてはいけません。
10年後、「あの時のヤクザのおじちゃんたち優しかったから」と記憶して、ヤクザに就職する子供だって出てくるかもしれません。
ついついほだされてしまいそうですが、この光景を見て私が思い出すのが学校給食です。
戦後導入された学校給食には、アメリカが日本に小麦を売るために、日本の子供にパンや麺で餌付けさせる目的があったという裏設定がありました。
子供の頃からパンや麺で育った子供たちは、大人になってもそれらを抵抗なく受け入れます。
私の世代では、給食で米飯なんて年に数回しかメニューに出てこなくて、炭水化物はもっぱらパンやソフト麺でした。
食べ物の選択肢が増えるというのは別に悪いことじゃないのですが、このことを最初に本で読んで知ったときは、狡猾だなあと思いました。
本部近くの一部の住民はこれでいいのかもしれませんが、それ以外の地域住民は「ハイそうですか」と言うわけにはいきません。
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