2012年頃から、人気が急激に高まっている「車中泊」。
旅先で旅館やホテルに宿泊せず、車に宿泊するという旅のスタイルです。
新聞などで「車中泊ブーム」と紹介されることが増えており、専用に改造された車や、さらに専門誌や専用グッズが数多く発売されるなど、一大ブームを巻き起こしています。
車中泊、自由度が高くておもしろいですよね。
私も車中泊用に改造した車ではないですが、ちょっと大きめの車をレンタルして、ホテルを併用しつつ、3~4泊くらいの車中泊旅行をしたことが何回かあります。
しかし。
ブーム到来と同時に、現在、道の駅がものすごいことになってきています。
道の駅のマナーが悪い人がとても多くなっていて、道の駅の係の人や、ごくごくふつうの通りすがりのお客さんにまで迷惑がかかっています。
今回は、最近の道の駅の惨状について調べてみました。
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地元にお金を落とさない
細かいことは後で挙げますが、まず根本的なことを。
なんといっても最近の車中泊の人が嫌われる原因No.1は、
「地元にお金を使わないこと」。
これに尽きます!
高いキャンピングカーや車中泊用にわざわざ改造した車に乗っても、現地でお金を使わないのです。
夜中にやって来て、道の駅やスーパーの駐車場で仮眠、コンビニのおにぎり・サンドイッチで昼食、帰りもファミレスチェーンでカレーを食べて帰るという……いったい何のためにここまで来たの?というレベル。
せっかく地方でボランティアが用意したイベントでも、参加者が参加費を払うだけで、車で来て旅館にも泊まらず、土産もろくに買わず、地元でほとんどお金を使わないため、旅館や商店街なども資金の負担に耐えかねて、潰れてしまったイベントもあると聞きます。
本当にお金がないなら仕方ないですが、車中泊用の車や装備を持っているというだけで、そこそこの経済力はあるはず。
まして、ホテルを使わないのですから、ホテル代を全部ごはん代やレジャーに使えるのでは?
土地の人たちは、観光客に来てもらって、お金をたくさん落としてもらって、経済活性化させたいのですよ。やっぱり潤いたいのですよ。
別に大判振る舞いをする必要はないですが、そこのところを理解して、お金を落として経済を回していくのが「お互い様の大人の常識」ってものだと思ってたのですが……もうこの感覚は古いのかな。
逆の立場だったらどうでしょう?
道の駅の設置者は市町村長で、その土地の住民の税金が投入されています。
少しでも自分たちの住む土地の良さを知ってもらって、ついでにお金を落としてもらって……そのために必要な道路環境を整えた施設を税金で用意しています。
「少しは遊んでいってよ」「何だあいつら」って言いたくなりません^^;?
まあこんな堅苦しいことを言う前に、コンビニや大手チェーンにちょっと寄っただけで地元のおいしいものを素通りなんて、いくらなんでも味気がないです。
お金を持っているのにお金を使わないというのは、大人げないのではないでしょうか。
車中泊のマナーは、この部分を「どこまで自覚できているか」にかかっています。
駐車場でテントを張りバーベキュー・煮炊き・酒盛り
道の駅ができ始めた頃は、少数ですが許可を得てテントを張る人はいました。
その頃車中泊してた人は、定年退職後に長年の夢だった日本一周してるシニア層が多く、総じてマナーは良かったです。
テントを張る場所も、奥まった場所のすみっこだったり、ほかのお客さんの邪魔にならないよう、控えめにしていたと思います。
しかし最近はなんと、七輪やバーベキューコンロを持ち出し、駐車場内で堂々と焼き肉・焼き魚・飯ごう炊きをしている光景があちこちで見られるそうです。
ミニバン2台できて、真ん中一台分開けて両脇にミニバン停めて、夏のあいだ数日感、タープ張ってBBQしていたとか…。
イスとテーブル、更にパラソルまで出してくつろいで、おまけに夜の花火までするなど、まるで海水浴場。
これは管理人が実際に見たことですが、すごいケースになると、小さい子供が道の駅の真夜中の駐車場で駆け回っていました。親子連れで道の駅に車中泊しているケースです。
もはや車中泊ではなく、駐車場でキャンプをしている状態。
道の駅の駐車場は火気厳禁。炊事をするならキャンプ場に行きましょう。
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トイレを占拠する
使った食器を洗う、髪を洗う、さらにスペースの広い障害者トイレに泊まったり、便座のコンセントを抜いて充電器に使ったりと、トイレが無法地帯になっています。
トイレでどうやって髪を洗うんでしょうね^^;?
ほかのお客さんが怖がってトイレを使えません。
不特定多数の人が排泄をする場所で寝泊まりしたり洗い物をする鈍感な神経に、ふつうの人は、なにか人間の狂気を感じるものです。
その無神経ぶりに、恐れおののくのです。……理解していただけますでしょうか……。
ホテルは無理でも、トイレに泊まるくらいならでせめてネットカフェを利用しませんか?
エンジンをかけっぱなし
車中泊は、装備が整っていれば、季節を問わず一年中楽しむことがでいます。
猛暑の時期や肌寒い時期の夜は、クーラーやヒーターをつけるために一晩中アイドリングしながら寝てる人がいます。
車の音や、排気ガスの臭いがひどいため、周囲の人がまったく眠れません。
熱中症や凍死のリスクのある季節は、ちゃんと屋根のある建物を予約しましょう。危険です。
トイレットペーパーのお持ち帰り
バイク乗りの人たちに多いです。
バイクって荷物をそんなに詰め込めませんよね。
個別のトイレットロールは、持ち運びがしやすいそうなんです……。
ゴミの持ち込み
「キャンプ」や「宴会」で出た大量のゴミを、道の駅に持ち込む人が多くなりました。
旅の最中に出たゴミは、自宅まで持ち帰るのが基本ルールです。
普通にドライブしている分にはそんなに多くのゴミは出ないのですが、できれば外で処分してしまいたいのが人情。
道の駅の掃除のおばちゃんの視線が痛いんです。
いろいろやりづらくなってしまいました……。
長期滞在
さらに、近くの木と車をロープでつないで洗濯物を干しているなど、すっかり生活の場になっているという目撃証言も。
道の駅の好意に甘えて、他の利用者に不快な思いさせており、すでに営業妨害です。
もう長期滞在と言うよりむしろ住んでいるというレベルの人もいるそうです。
はっきりいって、怖いんです。
車中泊はひっそりと。グレーゾーンを楽しもう
ご当地の名産品や産直食材や、地元グルメなどを楽しめる道の駅は、ドライブの立ち寄り場所として欠かせないオアシスです。
明確に禁止されている道の駅を除けば、道の駅での車中泊は、常識とマナーを持って行うなら、何ら問題のない行為だと思うんですよね。個人的には。
道の駅の定義は以下のとおり(参照:道の駅HP)
「道の駅」は、安全で快適に道路を利用するための道路交通環境の提供、地域のにぎわい創出を目的とした施設で、「地域とともにつくる個性豊かなにぎわいの場」を基本コンセプトにしています。
また、「道の駅」は3つの機能を備えており、
・24時間無料で利用できる駐車場、トイレなどの「休憩機能」
・道路情報、観光情報、緊急医療情報などの「情報提供機能」
・文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設で地域と交流を図る「地域連携機能」
があります。
道の駅は、本来は休憩施設です。
ちょっとした仮眠ならOKですが、宿泊目的の利用は原則できません。
しかし、道の駅の係の人も、そんないちいち目くじらたててるわけではないんです。
マナーを守っていれば、何も言われません。片目つむって見逃してくれます。
よーするに、
「車の中で寝てるだけならいいけれど、周りを占有してはいけません」
ということ。
道の駅は、国交省の補助金2億円を投入して作られます。
その条件として、24時間、トイレと駐車場が使えなきゃいけないというものがあるので深夜は閉鎖とか、そういう手段は本当は取れないのです。
中には週末の夜間、チェーンを繋いで駐車禁止の措置をとった道の駅もあります。
これは本当にこういうやむを得ない措置をとらなければならないほど治安が悪化したのでしょう(暴走族のたまり場になってしまったらしいです)。
このまま行くと、駐車料金をとられるようになってしまうなど、全員にとってデメリットしかない結果が訪れかねません。
車中泊は色んな経験ができるのでおすすめですが、本格的な規制が入る前に、マナーとルールを守って、利用しやすい道の駅のままでいてほしいです。
とくに車中泊経験が長い人は、車での生活にすっかり慣れてしまって、世間一般の感覚とずれてきている人も多いです。
車中泊愛好家は、車上ホームレスではないはずですよね。
今一度、思い返してみませんか?
グレーゾーンは、グレーゾーンのまま残して、みんなでひっそりと車中泊を楽しみたいです。
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