元号の決め方のルールや由来は?新元号の発表時期は2019年4月1日!

天皇陛下の天皇の生前退位が決定し、平成 31 年( 2019 年)5月1日から新元号になります。

その1か月前に新元号が発表される予定とのことで、4月1日には次の元号がわかります。

今回の天皇陛下の生前退位は、1817年5月7日に光格天皇が生前退位されて以来の、実に 202 年振りの出来事なので、天皇が崩御されてからバタバタすることはなく、事前準備が粛々と進められています。

気になるのは、「元号は誰がどうやって決めるの ?」ということです。

今回は元号の決め方について調べてみました。

【参考】

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直接の根拠法は「元号法」

新元号は、政府が決めます。

新元号ひとつ決定するにも、政府がやることに、なんとなくや適当でものごとが決定されることはありません。

すべての物事には法的根拠があり、決まりごとがあります。

↓↓↓元号を決定する直接の根拠はこちらの法律です。

元号法(昭和54年法律第43号)

1 元号は、政令で定める。
2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。

附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする。

昭和54年に成立した法律で、日本で一番短い法律です。

具体的な手続きは「元号選定手続きについて」に規定

元号の決め方については、元号法の制定といっしょに起草された「元号選定手続きについて」という文書によって詳細に規定されています。

「具体的にどうやって元号って決まるの?」という疑問は、この文書ひとつで回答できます。

それくらい細かく決められているんですね、ネット上で見かける情報のおおもとは、全てこの文書です。

そんなに長い文書ではないので、そのまま紹介します。

元号選定手続きについて

昭和54年10月23日(閣議報告案)

元号法(昭和54年法律第43号)に定める元号の選定については、次の要領によるものとする。

1 候補名の考案

(1)内閣総理大臣は、高い見識を有するものを選び、これらの者に次の元号にふさわしい候補名(以下「候補名」という。)の考案を委嘱する。

(2)候補名の考案を委嘱される者(以下「考案者という」。)の数は、若干名とする。

(3)内閣総理大臣は、各考案者に対し、おおよそ2ないし5の候補名の提出を求めるものとする。

(4)考案者は、候補名の提出に当たり、各候補名の意味、典拠などの説明を付するものとする。

2 候補名の整理

(1)総理府総務長官は、考案者から提出された候補名について、検討し、及び整理し、その結果を内閣総理大臣に報告する。

(2)総理府総務長官は、候補名の検討及び整理に当たっては、次の事項に留意するものとする。

  ア 国民の理想としてふさわしいような良い意味を持つものであること。
  イ 漢字2字であること。
  ウ 書きやすいこと。
  エ 読みやすいこと。
  オ これまでに元号またはおくり名として用いられたものではないこと。

  カ 俗用されているものではないこと。

3 原案の選定

(1)内閣総理大臣の指示により、内閣官房長官、総理府総務長官および内閣法制局長官による会議において、総理府総務長官により整理された候補名について精査し、新元号の原案として数個の案を選定する。

(2)全閣僚会議において、新元号の原案について協議する。また、内閣総理大臣は、新元号の原案について衆議院および参議院の議長及び副議長である者に連絡し、意見を伺う。


4 新元号の決定
 閣議において、改元の政令を決定する。

こういった手続きに基づいて、新しい元号が決められていきます。

※原文はこちら⇒「元号選定手続きについて

文中の「総理府総務長官」は、2001年の省庁再編で内閣府に統合されてますので、大臣政務官か内閣官房長官に当たるのでしょうか?

登場人物をまとめると、

・内閣総理大臣

・総理府総務長官(⇒今の政務官か官房長官?)

・内閣法制局長官

・全閣僚

・衆議院の議長と副議長

・参議院の議長と副議長

・有識者(若干名)

これだけのえらい人達の 協議を経るのです、すごいですね^^;。

しかし、この文書を見ていただければわかるとおり、皇室の意向は一切加味されません。

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最近の年号の由来について

元号の決定は、候補案を考える専門家の選定から始まります。

「平成」を制定するときも、「考案者」を把握していたのは総理大臣、官房長官などといったごくごく限られた人物のみ。

その理由は、「天皇陛下が健在のうちに“崩御の準備”をしていることが公になれば不敬との批判を避けられない」ためです。

このため、元内閣官房副長官・的場順三氏が専門家に新元号の考案を依頼した時は、部下を連れず、一人で各専門家のもとに行き、直談判しました。

今回は200年ぶりの生前退位なので、このあたりのハードルは若干下がっているようです。

平成:国の内外、天地とも平和が達成される

いま、私たちが過ごしている元号「平成」の由来は次のとおり。

『史記』五帝本紀の「内(内かに外る)」

『書経(偽古文尚書)』大禹謨の「地(地かに天る)」

からで、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味が込められています。

考案者は、東洋史学者で東京大学名誉教授の山本達郎氏。

ほかにも、

・修文(目加田誠氏/古典中国文学者)

・正化(宇野精一氏/儒学者、国語学者)

という候補がありました。

考案者は生前は公表されなかった

実は、元号候補の提案者は平成と決まってからも、正式に公表されたことはありません。

後に平成の考案者として関係者が明らかにした山本達郎氏(平成13年没)も、決して自分が考案者だとは明かさずに亡くなりました。

「考案者はもう亡くなっているから」と理由で、改元から10年以上経過して、政府筋から漏れ出たものです。

本当に機密事項なんですね……。

新元号発表は今回も内閣官房長官?

「平成おじさん」と呼ばれた小渕恵三氏は、昭和天皇の崩御の時は内閣官房長官でした。

誰が新元号を発表するかは法律では定められておらず、今回も官房長官が発表するとは限りません。

前例を踏襲すれば、現在の官房長官は菅義偉(すがよしひで)氏なので、何事もなければ、この方が次の「○○おじさん」になるのでしょうか。

昭和:国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う

由来は、四書五経の一つ書経堯典の、「百姓明、協萬邦」(百姓(ひゃくせい)昭明にして、萬邦(ばんぽう)を協和す)からの出典です。

もともとは、「人々が徳を明らかにする」という意味で、昭明(しょうめい)すれば、萬邦(世界中)を仲良くさせることができるよね、という願いが込められています。

漢学者・吉田増蔵氏が考案しました。

事前にマスコミが新元号をすっぱ抜いたらどうなるか

1926年(大正15年)12月25日、大正天皇の崩御の折、「大正」の次の元号をめぐって起こった誤報事件が起きています。

「次の元号は『光文』だ!」とすっぱ抜いた記者がおりまして、結果的にこの新聞社の管理職が辞職しています。

元号というものは、天皇陛下が崩御された後、『明治天皇』『昭和天皇』のように諡(おくりな)となる崇高なものです。

実は、これに腹を立てた宮内省が、内定した「光文」から「昭和」に急遽変更したという説があります。

マスコミに候補がスクープされれば、その時点で使用できなくなるため、外部に漏れないよう、情報管理には準備には非常に神経を使います。

関係者は、記者に捕まって新元号が外部に漏れてしまわないようにと、トイレに行くことも許されなかったというエピソードがあるくらいです。

発表までに考案者が死亡した場合、元号案は破棄される

また、発表までは元号案が記載された紙は、政府関係のどこかの建物の金庫に厳重に保管されています。

もし、発表までに提案者が何らかの原因で死亡した場合、その人が考案した元号案は破棄され、他の人が提出した案の中から、あらためて選ばれます。

これは、新しい御代を冠する元号に、「死のケガレ」を付着させたものは使えないという、神道独特の感覚ですね。

まとめ:どんな元号でも親しみをこめて

2017年末には、すでに数名の有識者が選抜され、選定事務が極秘に進められています。

新元号の発表までは、もう4ヶ月を切りました。

もう安倍総理の手元には、4月1日に発表されるべき「第一候補」の元号案があるのでしょう。

生前退位とSNSの普及により、新元号の予想もあまりタブー視されなくなりました。

「安久」や「安成」、「安始」など、「安」の入った案が多いようですが、現在の首相が「倍」であることから、「安」の字は入らないと思います。

どんな元号になっても、親しみを込めて数十年、いっしょに過ごしていきたいですね。

【参考】

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