女子フィギュアジュニアグランプリシリーズ第5戦スロベニア大会で、女子史上7人目となるトリプルアクセルを成功させた紀平梨花さんは、当時14歳でした。
16歳の今、フィギュアスケートグランプリファイナルでは、浅田真央さん以来13年ぶりとなる日本人シニア1年目におけるグランプリファイナル制覇を達成しました。
そして2019年1月、四大陸選手権でショートプログラム(SP)5位から、大逆転Vを飾り、次世代の女王の座を不動にした紀平梨花さん。
当時から「ポスト浅田真央」の呼び声も高く、すでに2022年冬季五輪の女王の貫禄です。
紀平さんが育った環境を見てみましょう。
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紀平梨花のプロフィール
何はともあれ、まずプロフィールを。
生年月日:2002年7月21日(2018年で16歳)
出 生 地:兵庫県西宮市 ⇒ 大阪府高槻市
身 長:154cm
幼 稚 園:広田幼稚園
小 学 校:西宮市立大社小学校
中 学 校:西宮市立上ヶ原中学校 ⇒ 関西大学中等部
高 校:N高等学校(通信制)※沖縄県うるま市伊計島
家 族:両親、両親と姉1人・萌絵(もえ)さん
得意科目:数学
所属クラブ:関西大学KFSC
紀平さんは3歳のときにお母さんとお姉さんと一緒にアイスリンクに行きスケートと出会い、5歳のときにスケート教室に入りました。
ほかにもバレエ、体操、ピアノなど全部で8つの習い事をしていて、フィギュアスケートは、それらの1つだったそうです。お稽古がない日は週に1回だけ。
しかし、フィギュア教室に通い始めて1ヶ月たった頃、「3万円のスケート靴」をご両親から買ってもらい、「すごく滑りやすい!」と大喜び。
幼い頃から運動神経は抜群で、小学校の運動会のクラス対抗リレーでは毎年アンカー。
運動会当日に37度近い熱が出ても無理して学校に行くと「ああ紀平が来てしまった。この勝負、負けた…」と、ほかのクラスの男子に言わしめるほどの俊足。
中学に入ってからは怪我を回避するために運動会を棄権することもあり、練習のため卒業式も参加できませんでした。
14歳のとき、紀平さんが史上7人目でトリプルアクセルを成功させたときには、学校の友達からサインを求められたといいます。
もう中学校の頃からスターだったんですね。
紀平梨花の両親は?
オリンピックで金メダルを取るまでに、2億円がかかるといわれているフィギュアスケート選手。
フィギュアスケートでは、ある意味バレエよりもお嬢様な習い事で、フィギュア界にはけっこうお金持ち出身の選手が多く、例外は羽生結弦選手や浅田真央選手くらいのもの。
しかし驚いたことに、紀平さんの家は、ふつうのサラリーマン家庭。
お父さんはサラリーマン、お母さんはデパートの正社員というごくごく普通の家で、子どもたちのこと大事にする、暖かい家庭で育ちました。
挨拶はきっちりできるし、ちゃんとしつけされてます。
紀平さんは最初は西宮市内のスケートリンクで指導を受けていましたが、才能を発揮しはじめると、大阪高槻市内にある関西大学(たかつき)アイスアリーナへ通うようになりました。
いちばん頑張ったのは、やはりお母さん。
・毎朝3時までに起きて、家族の朝ごはんをつくる。
・朝5時には紀平さんを車に乗せて大阪のアイスアリーナまで朝練へ。
・朝練が終わったら学校に戻り、授業が終わると再び大阪のリンクへ送る。
・帰りはいつも22時すぎ。
……そうですね、浅田真央さん母子も同じでした。
お母さんはもともと西宮市内の会社でフルタイムで働いていましたが、正社員の仕事では紀平さんを送迎できないと判断し、退職してシフト制のパートに転職。
中学1年生までは兵庫県西宮市にある一軒家で暮らしていましたが、紀平さん一家は娘のために、このマイホームを売り払い、通学とアイスリンクまで通いやすい場所へ引っ越してしまいました(このためお父さんの職場は遠くなってしまったとか^^;)。
お母の都合がつかないときは近所に住むがお祖父ちゃんが代打するという、まさに家族ぐるみで紀平さんを支えてきたのです。
紀平梨花のお姉さんは?
紀平さんには萌絵(もえ)さんというお姉さんがいて、とても仲がよく、お姉さんのお友達とも遊んでいました。
ただ、お姉さんはスケートでうまくいかなかったようなので、残念です。
しかし、かわりに「エイベックス(avex)・アーティストアカデミー」の特待生として活動していて、将来芸能界にデビューする予定です。
特待生ということは無償でレッスンを受けられる待遇なので、期待されているということですね。
萌絵(もえ)さんのフィールドは、スケートではなく芸能界だったということですね。
紀平家の家訓
紀平さんのご両親は習いごとをあえて勧めず、子どもが「やりたい!」と希望するまで何もいわず、黙っていました。
やりたいことがあっても、本気かどうかよく吟味し、一番大事なのは本人の気持ちという考え。
子供の意思を尊重するスタンスで、「やめたければやめればいい」という方針でしたが、だからこそ気持ちが変わらなかった紀平さんを、家族一丸で本気でサポートしたのでしょう。
それにしてもマイホームまで売却というのはすごいですね。
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紀平梨花の強さの秘密
紀平さんが通っていた「広田幼稚園」では、「ヨコミネ式教育法」を取り入れていました。
女子プロゴルファーの横峯さくらさんの叔父・良文さんが提唱する教育法で、将来的に自立するために「学ぶ力」「体の力」「心の力」を重視し、意欲、やる気、好奇心を育てるもので、全国の幼稚園や保育園に取り入れられています。
子どもたちが逆立ちやブリッジで歩行をしたり、ひらがな読みや計算ができるようになったりと効果はさまざま。
紀平さんも、小さい頃から片手で側転ができていますし、7段の跳び箱をポーンと飛びこえ、学校の成績もいいため、ここでさまざまな分野の「基礎」を培ったことがわかります。
分析力と構成力がある
さらに紀平さんは、とにかく冷静で頭がいいのです。
両親が過度に干渉せず数学が得意なせいか、自分でとことん突き詰めるタイプで、自分で体重管理や意志のコントロール可能。
プログラムの構成も「この並びで失敗したら、こうカバーしよう」ということを、常に考えているのです。
衣装選びにも慎重
フィギュアスケートのジャンプの成功には、衣装の左右のバランスも重要で、もしバランスが悪いと回転中に軸がブレて着地が難しくなるというのですから、なんと繊細な。
紀平さんは衣装を選んで着替えると、その場で何度もジャンプしてバランスを確認します。
「右側が少し軽い」と感じると、アシスタントが衣装の右側に飾り石を追加したり、すこしでも具合が悪いと、指をさして余分な布を「ここから切ってください」とはっきり指摘、ばっさりとハサミで切ってしまうそうです。
目の前の課題は「鈍感力」
一気に世界が注目するニューヒロインに躍り出た紀平さん。
「ようやく浅田真央以来の主役級が出てきた」と、関係者の期待は高まるものの、同時に危惧する声も。
それは、「注目が集まりすぎる期待の一極集中」。
浅田真央さんもそうでしたが、マスコミは大技のトリプルアクセルにばかり注目し、それを完璧にこなせることが当たり前とばかりに、「跳べるのか?」「何回跳ぶのか?」といった、過度の煽り方ばかりしていました。
真央さんも15歳でグランプリファイナルを制し、このようなメディアの矢面に立たされることになりましたが、トリプルアクセルばかり注目され、それを失敗すると必要以上に周囲に落胆される、ということが繰り返されました。
紀平さんも、自分の演技のことについて書かれた雑誌などを読むと「本当のことと違う…」と、メンタルが揺れることがあるそうです。
まだ10代の女の子ですからそれも当然なのですが、これは時代のトップの宿命です、これから受け流すスキルも鍛えて欲しいところです。
CM契約料は1本5000万円?!
紀平さんは現在、次の企業の支援を受けています。
・エナジードリンク「レッドブル」のアスリートとして、同社のロゴ入りの練習着を着用。
・演技に生かすため、音楽業界の「エイベックス」アーティスト・アカデミー大阪校の特待生としてレッスンを受けています。
ほかにもお菓子や飲料メーカーなどからCMのオファーがあるのではないかと見られており、現時点のCM価値は1本2000万~3000万円、1年契約では1本5000万円で契約できるだろうと見立てています。
お金の事だけではありませんが、やはりマイホームを売却してまで子供を支えたときくと、このように圧倒的な実績を出したことで今までのご家族の苦労報われるというのは、私たちもほっとしますよね。
まとめ:子供の意志を尊重して家リソースをつぎこめ
一夜にして世界が変わった紀平梨花さん。
2017年4月に現役を引退した浅田真央さんの代名詞だったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を完全に習得し、浅田さんの後継者として高らかに名乗りあげました。
紀平さんのトリプルアクセルは、どこにも無駄な力が掛かっていない、ブレの少ない素直で美しいジャンプであると、関係者は大絶賛。
現在、フィギュアスケート界を支配しているといっても過言ではないロシアも大絶賛で、ロシアのスポーツ記者は紀平さんのトリプルアクセルを、「キヒラは斧を持っている」と、「斧」にたとえて表現しています。
どれほど鋭く破壊力のあるジャンプだったのかがうかがい知れますね、「絶対的な武器」とまでコメントしていました。
やっぱり人生の早い時期の初期投資は有効なんですね。
ただここではやまってはいけないのが、あくまで「子供の意志を尊重する」というポイントを忘れないこと。さじ加減が難しいと思いますが……。
そうすれば、つぎ込んだ家、もとい数千万円分の時間とお金が、何十倍ものリターンとなって返ってくることでしょう(ここが難しいんですよねー)。
当ブログは、紀平梨花さんを応援します。
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